スポーツによる肩・肘障害には代表的に以下のような疾患があり、主に野球やバレーボール、テニスといったオーバーヘッド動作(ボールを投げる・スパイク・サーブなど)によって発生します。
肩の障害
- インピンジメント症候群
- 関節唇損傷
- 上腕骨骨端線離開(リトルリーガーズショルダー)
- 腱板損傷
肘の障害
- 上腕骨内側上顆障害(内側上顆骨端線離開)
- 内側側副靭帯損傷
- 離断性骨軟骨炎
当院におけるリハビリテーションの特徴
野球肩・野球肘の原因として、肩や肘といった局所の問題のみでなく、その他の部位(肩甲胸郭関節、体幹、股関節など)の影響により発症することがあります。そのため、当院のリハビリテーションでは、障害部位である肩・肘の評価・治療に加えて、全身の評価も行なっていきます。
以下に、肩・肘の評価・治療や全身の評価、リハビリテーションの一部を挙げていますのでご参照ください。
実際に当院で行なっている理学療法評価
肩・肘の評価
肩・肘の柔軟性の評価や、患部がどのような動きの際に痛みが発生するか、詳細に評価を行っていきます。
肩関節の柔軟性の評価
肩・肘の痛みに関する評価
全身(肩甲胸郭関節・下半身など)の評価
肩や肘以外の、体幹(胸郭)や下半身といった問題が投球などのオーバーヘッド動作に大きく影響してきます。そのため、これらの柔軟性の評価を行っていきます。
肩甲胸郭関節(体幹)の柔軟性の評価
下半身の柔軟性の評価
このように、障害部位である肩や肘関節だけでなく、体幹や下半身など、全身をチェックすることで問題となる部位を見つけていきます。そして、投球時の痛みに関連する要因に対してストレッチや筋力訓練などの運動療法、または超音波治療といった物理療法を併用しながらリハビリテーションを行っていきます。
当院における実際のリハビリテーション
肩・肘関節の柔軟性の改善、インナーマッスル(腱板)の機能改善を図り、円滑な上肢の運動を行えるようにしていきます。
肩や肘に掛かる負担を軽減するため、肩甲胸郭関節・股関節などの柔軟性の改善、また筋力強化を行っていきます。
投球動作を評価することで、肩や肘に負担の掛かるような問題点を見つけ出し、動作の修正や再発防止に役立てていきます。
このように詳細な評価を行うことで、その選手一人一人に合わせたリハビリテーションを行い、早期のスポーツ復帰やパフォーマンスの向上を図ります。また、復帰後の再発予防も重要になるため、運動や練習方法に関するアドバイス、セルフケア等についても指導致します。
文責 リハビリテーション科 隅田涼平