福岡整形外科病院

有痛性外脛骨

有痛性外脛骨とは

有痛性外脛骨は、足の内側に痛みを生じる疾患です。陸上・サッカー・バスケットボールなどのスポーツが原因で症状がでることがあります。また、長時間の歩行や立ち仕事などでも痛みを生じることがあります。

症状

運動中や運動後に足の甲の内側に痛みを生じる障害です。ひどいときには腫れてでっぱり、熱感も感じられこの部位を押すと痛みが強くなります。

外脛骨

図1

足の甲の内側にある外脛骨と呼ばれる部分に痛みを生じる障害です(図1)。外脛骨は舟状骨の内側に位置する分離した骨で、日本人の約15%の人に存在すると言われています。この余分な骨は生まれながらのもので症状のない人も多くいます。

陸上・サッカー・バスケットボールなどのスポーツが原因で症状がでることがあります。小児に多いのですが、成人になり発症することもあります。

元来、舟状骨には後脛骨筋と呼ばれるふくらはぎから足の甲を支える腱(後脛骨筋腱)が付着して足のアーチを支えています。この腱が外脛骨を引っ張り刺激し炎症を起こします。

もともと外脛骨がある人で、その形状や大きさに加え、扁平足などの足の変形がある人は外脛骨に負担がかかりやすいため、激しい運動をしなくても長時間の歩行や立ち仕事などでも痛みを生じることがあります。

検査と診断

診断はレントゲン撮影と診察により行われます(図2)

レントゲンでは外脛骨の有無に加え扁平足などの足の変形にも注意が必要です。

レントゲン

図2

治療

痛みのある間はなるべく運動を中止し、足を休ませます。また腫れた部分のクーリングや湿布なども使用します。症状の強い時には局所へステロイド剤の注射も有効ですが、頻回に行うことは控えなければなりません。

また、痛みを軽減させることや再発を予防する上で、足の裏の筋力強化やストレッチなどのリハビリも大切です。

またアーチのしっかりとある靴を選ぶことも重要であり、必要時には足のアーチを持ち上げるために靴の中敷を病院で作成することもあります。

中敷を装着した足

中敷を装着した足

このような治療を行っても痛みが持続する場合は手術を行う必要があります。手術療法は成長期の低学年であれば手術で骨に小さな穴をあけ骨を刺激することで、骨の癒合を促進することが可能です。しかし骨格が大人になっている場合は骨癒合が得られにくく、外脛骨を摘出することになります(通常摘出しても問題のない大きさです)。手術としては大きな手術ではありませんが、スポーツの復帰には2~3か月の時間を要します

最近は扁平足のある若い子も増えています。まずは足にあったアーチのある靴を選びましょう。症状が出た時には早めの休息が重要です。必要時は当院で足に合ったアーチの靴の中敷を作成し、リハビリも相談しましょう。それでもだめなら手術をご相談ください。

監修

整形外科医師
吉本 栄治

日本整形外科学会 専門医

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